老後のお金、ちゃんと向き合えていますか?——私がAIに相談してみた話

お金・老後

老後のお金のこと、ちゃんと考えていますか?

正直に言うと、私はずっと「見ないようにしていた」のかもしれません。

定年退職してしばらく経ったある日、ふと気づいたのです。「このまま何も考えずに貯蓄を取り崩し続けていていいのだろうか」と。

その不安をきっかけに情報収集を始め、ついにAIにも相談するようになりました。今日は、その道のりをお伝えしたいと思います。

同じような不安を抱えているあなたに、「一人じゃないですよ」と伝えられれば嬉しいです。

年金定期便を見た日のこと

年金のことを初めて真剣に意識したのは、50代半ばの頃でした。

毎年届く「ねんきん定期便」。それまではさほど気にとめていませんでしたが、ある年じっくり眺めてみると——。

「……これで、安心して生きていけるの?」

当時は給料が一番高い時期でもあったため、その落差がより大きく感じられました。頭ではわかっていても、「年金だけでは足りない」という現実が、ずしりと重くのしかかってきたのです。

「貯蓄=銀行預金」という刷り込み

私が就職したのは、銀行の定期預金の利息が5〜7%あった時代でした。お金を預けているだけで、しっかり増えていく。そんな時代です。

「貯蓄は銀行に預けるもの」——それが当たり前でした。

その後、経済は大きく変わりました。バブルが弾け、低金利の時代が長く続き、今やほぼゼロ金利。でも気づけば、若い頃に刷り込まれた「貯蓄=銀行預金」という感覚が、ずっと心の底に居座り続けていたのです。

現役時代は、仕事で手一杯でした。資産形成を真剣に考える余裕はなかったし、良質な情報を得る機会もなかなかありませんでした。株式投資を少し試みたこともありましたが、中途半端な知識でできるものではないと感じ、すぐに手を引いてしまいました。

退職後に気づいた「直視していなかった」こと

5年ほど前、ほぼ定年のタイミングで退職しました。再雇用の道もありましたが、「時は今」という直感に従い、長年やりたかったことに全力で取り組む道を選びました。

3年ほど夢中で突き進み、ある程度の技術も身につけ、人々の健康に寄与できるという実感も得られました。でも、安定した収入を得るには至りませんでした。

そしてあるとき気づいたのです。「このまま何も考えずに貯蓄を消費し続けるのはよくない」と。

情報収集を始めました。YouTubeで動画を見たり、マネー雑誌を読んだり。証券会社が開催するオンラインの無料セミナーに参加したり、専門家への相談制度も利用しました。(後になって、それはあまりおすすめしない方法だと知るのですが。)

YouTubeで目につくのは、どちらかというと若い人向けの内容でした。「時間をかけて複利の力を利用する」というものが多く、60代の自分には時間の使い方が違います。雑誌には様々な金融商品が紹介されていましたが、よく勉強もせずに手を出すのは危険です。正直、少し失敗もしました。

そうした迷走を続けながら、あるとき気づいたことがあります。

「一番の不安の正体は、現実を直視しようとしていなかったことだ」と。

年間の生活費がいくらかかっているか——その詳細を、ずっと「見ないように」していたのです。

昨年末、ついに向き合いました。詳細を明らかにしてみると、「思っていたより結構多く使っていた」というのが正直な気持ちでした。年金だけではとてもまかなえない金額です。

でも、直視したことで、前に進めました。

無駄なサブスクリプションを解約し、通信費を見直し、できる限り家計を整理していきました。やってみると、間違いなく効果が出てきました。

転機は、良質な情報との出会い

迷走の中に転機が訪れたのは、1年ほど前のことでした。

投資に詳しい知人から「この番組はおすすめ」と教えてもらったYouTubeチャンネルに出会ったのです。当時すでにチャンネル登録者数が数百万人という、多くの人に支持されているものでした。

個人が普通に資産を増やしていくために知っておくべきことを、多角的に、わかりやすく説明してくれるチャンネルです。来る日も来る日も動画を見続けました。

そこで出会った、一番大きな気づきはこれです。

「知っているか知らないかで、大きく変わる。」

それだけのことなのですが、これは本当に大きなことでした。知識を得ることで、漠然としていた不安が少しずつ「対処できること」に変わっていったのです。

知っても、消えない不安もある

とはいえ、すべての不安が消えたわけではありません。

今も心の片隅に残っているのは——AIの急速な進展が、今後の社会経済にどんな変化をもたらすのか、ということです。年金制度はどうなるのか。物価はどこまで上がるのか。貨幣の価値は変わってしまうのか。

「あまり考えても仕方がない」と思いながらも、やはり気になってしまいます。

そこでAIに相談してみました。率直な答えはこうでした。

「AIによる生産性向上は本物で、経済全体を大きくする方向に働く。ただし、その果実が誰にどう分配されるかは別問題。不確実性が高い時代には、一つの答えに賭けないこと——資産だけでなく、収入源や生きがいも含めた”分散”の考え方がより重要になる」

「最終的には人々が豊かに暮らせる世界になるだろう」という期待は持ちつつも、そこへ至るまでの混乱期は覚悟しておく必要があるかもしれない。そんなふうに受け止めました。

このテーマについては、またあらためて深く掘り下げていきたいと思っています。

88歳の男性が教えてくれたこと

先日、ある動画でこんなエピソードを見ました。

88歳の男性へのインタビュー。こんな言葉が返ってきました。

「88歳になって、ようやく先が見えてきたので、妻とそろそろお金を使っていこうか、と話しているんですよ」

笑えるような、笑えないような。でも、なんだかほっとするような言葉でした。

若い世代からは「80歳過ぎて大金を残して何の意味があるのか」という声も聞きます。でも私は、この88歳の男性の気持ちがよくわかります。「いつまで生きるかわからない」という不確かさの中で、長生きリスクに備えたいという気持ち。それは自然な感情だと思うのです。

一緒に考えていきましょう

老後のお金への不安は、多くの場合「知らないことへの不安」だったと、今は思います。

知ることで、不安は変わりました。「なんとなく怖い」が「これは考えられる」に変わっていく。その感覚は、思っていた以上に大きなものでした。

もちろん、すべてが解決したわけではありません。でも、向き合い始めたことで、少し前が見えるようになりました。

次回は、年金の繰り下げ・繰り上げについて、AIとの会話も交えながら考えてみたいと思います。

いつかは誰もがお金の心配をすることなく、安心して老後を過ごせる世の中になってほしい——そんな思いを持ちながら、このシリーズを続けていきます。

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