4回にわたってお金と老後について書いてきました。
年金への不安、家計の見直し、繰り下げの検討、インフレや社会の変化——。向き合うのが怖かった現実と、少しずつ正直に付き合ってきたこのシリーズ。最終回は、「では、本当に大切なものは何か」という問いで締めくくりたいと思います。
お金は大切。でも、それだけではない
お金は、生きていくために必要です。安心した老後のために、備えることも大切です。このシリーズでずっとそう書いてきました。
しかし同時に、こうも思います。
お金が十分にあっても、心が満たされていなければ豊かとは言えない。逆に、お金に余裕がなくても、心が満たされている人は確かにいる。
では、心を満たすものは何か——。そのことを、今日は書いてみたいと思います。
「思い出の配当金」という言葉
お金の勉強を始めた頃から、よく視聴しているYouTubeチャンネル「両学長 リベラルアーツ大学」で、印象に残っている言葉があります。
「思い出の配当金」
投資をすると配当金が入ってくるように、家族や友人と旅行したり楽しい時間を過ごしたりして作った「思い出」も、長く心に配当金を届けてくれる——そういう意味の言葉です。
「なるほど」と思いました。お金の配当金と思い出の配当金。両方を意識して生きることが、本当の豊かさにつながるのかもしれないと。
私の一番大きな「思い出の配当金」
この言葉を聞いたとき、8年前のことを思い出しました。
両親が相次いで亡くなったとき、私はこんなことを感じたのです。
「私は両親にとても深く愛されてきた。楽しい思い出もたくさんある。その思い出があるから、私は今も元気に生きていられる」と。
これが、私にとって一番大きな「思い出の配当金」です。
お金では買えないもの。でも確かに、人生を豊かにしてくれているもの。それが、深く愛された記憶と、共に過ごした時間の蓄積です。
1年の決断が、5年分の歩みを生んだ
定年を1年残して退職したとき、「時は今」という直感がありました。
あの選択がなければ、今行っている活動は今より5年ほど遅れていたと思います。社会情勢やタイミングを考えると、それくらい大きな分かれ目でした。
自分の魂が望んでいる分野を少しずつ探究できていること、また、これから考えている音楽配信への期待——。それらは全て、あの1年の決断から始まっています。
お金の損得だけで考えれば、もう1年働いた方が良かったことは間違いありません。しかし、本当の豊かさという意味では、あの選択が正解だったと思っています。
後から振り返ると、人生で起こることは、その時には見えなくても、何か意味があったのかもしれない。そんなふうに感じる瞬間があります。
AIと会話してみた
「お金より大切なもの、本当の豊かさとは何か」——このテーマをAIにも話してみました。
するとこんな言葉が返ってきました。
「豊かさの感じ方は人それぞれですが、研究や多くの人の経験が示すのは、『お金が一定以上あれば、それ以上増えても幸福感はあまり変わらない』ということです。それ以上の豊かさを生むのは、健康、深い人間関係、自分らしくいられること、そして意味や目的を感じられることだと言われています」
「思い出の配当金という考え方はとても本質的だと思います。経験や記憶は、時間が経っても価値が増すことがある。それはお金の資産とは違う、心の資産と言えるかもしれません」
AIは、なかなか上手く言葉で表現できないことを、すっきりと整理してもらえます。
自分が本当にしたいことを、見つけられたら
最後に、このシリーズを読んでくださっている方へ。
お金の不安と向き合うことは大切です。でも、その先に「自分はこの人生で本当は何をしたいのか」という問いがあると思います。
それを見つけられた人は、とてもラッキーだと思います。すぐに見つからなくても、その問いを持ち続けることが、豊かな人生への入口になるのかもしれません。
お金は、その人生を支える手段のひとつ。大切だけれど、全てではない。
4回のシリーズを通じて、私自身もそのことを改めて確認できた気がします。最後までお読みくださり、ありがとうございました。


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