私が図書館を初めて利用したのは、60代に入ってからのことでした。
現役で働いていた頃は、平日は開館時間に間に合わず、土日祝日も立ち寄れる保証がなく、図書館という場所は「自分には縁のないところ」だと思い込んでいたのです。
■ きっかけは、一冊の本との再会
図書館に足を運ぶきっかけとなったのは、一冊の本でした。
「キャンディ・キャンディ FinalStory」——1970年代後半に一世を風靡した漫画「キャンディ♡キャンディ」の、作者・名木田恵子さんが大人のために書き下ろした真実の物語です。
主人公のキャンディとテリィの、あまりにも悲しすぎる別れ。十代の自分にはやりきれないほど強烈な印象で、ずっと心の奥底に残っていました。その結末が、実は違っていたと知り、どうしても読みたくなったのです。
ところがAmazonで検索すると、中古本で上巻が2〜3万円、下巻にいたっては10万円以上!あまりにも高すぎる……。
その時ふと思いました。「図書館にあるかな?」
図書館のホームページをネット検索すると、なんとあるではないですか!すぐに図書館へ向かい、会員証を発行してもらい、念願の本を借りることができたのです。
図書館って、素晴らしい!
その感激が、私と図書館のつきあいの始まりでした。
■ 図書館で変わった、本との向き合い方
以前は読みたい本があると、つい購入していました。でも読む時間がとれないまま「積読」が常態化し、数年後にパラパラと一読しただけで古本屋へ——何ともったいないことをしていたでしょう。
今は、読みたい本があるとまず図書館で検索します。物をあまり増やしたくないという気持ちもあり、この習慣はすっかり定着しました。
館内にはさまざまな種類の雑誌も揃っていて、ゆっくり読むこともできます。購読していない雑誌を気軽に手に取れるのも、図書館ならではの楽しみです。
■ 知らなかった!図書館の便利な制度
図書館を使い続けるうちに、便利な制度があることも知りました。
それが「未所蔵図書リクエスト制度」です。図書館にまだない本でも、リクエストを出すと購入を検討してもらえる制度で、新刊が発売されたばかりの本をリクエストして、真っ新な本を手にすることもできました。
また最近では、インターネットから本の予約ができる図書館も増えています。読みたい本を自宅から予約して、準備ができたら受け取りに行くだけ。とても便利になりました。
■ シニアにこそ、図書館を活用してほしい
図書館は老若男女問わず利用できる場所ですが、時間にゆとりが生まれたシニアにとっては特に素晴らしい場所だと思います。
お財布にやさしく、知的好奇心を満たしてくれて、静かな時間を過ごせる。地域の図書館は、こんなに素敵な場所だったのかと、60代になって初めて気づきました。
まだ図書館を利用したことがない方、しばらく足を運んでいない方、ぜひ一度訪ねてみてください。きっと新しい世界が広がります。
あなたの街の図書館も、宝の山かもしれません。


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