私は、こじんまりとした事業活動用のホームページを以前から持っています。
そのホームページを、今年の6月から8月にかけて、まるごと作り替えました。WordPressという仕組みへの引っ越しです。
3か月かかりました。途中で完成目前のトップページを消してしまったり、1〜2週間休んだりしながら、なんとか8月末に公開までたどり着きました。
一人では、とてもできませんでした。AIに聞きながら、少しずつ進めた3か月の記録です。
引っ越しを決めた2つの理由
それまで使っていたのは、サーバー一体型のホームページ作成サービスでした。
専門的な知識がほとんどいらず、画面を見ながら直感的に作れる。テスト用の環境も用意されていて、公開前に確認できる。使い勝手は本当に良かったです。最初は無料プランで使っていましたが、次第に独自ドメイン(自分だけの住所のようなもの)が欲しくなり、有料版に切り替えました。
それでも移行しようと思ったのは、次の2つの理由からです。
1つ目は、費用のこと。今年の4月、このブログを始めるためにレンタルサーバーを契約したのですが、そのプランでは独自ドメインが2つまで無料で使えます。事業用のホームページもそちらに移せば、全体の費用が半分以下になる。これは大きな魅力でした。
2つ目は、自由度です。WordPressには「テーマ」と呼ばれるものが数多くあります。サイト全体の見た目を決める、着せ替えのようなものです。選べる幅が広く、できることも多そうでした。
費用と自由度の高さから、4月にブログを始めた時点で、「いずれ事業用のホームページも移そう」と決めていました。
しかし移行の方法を調べてみると、丸ごとコピーするような便利な手段はないと分かりました。元々ごく小規模なホームページでしたが、それでも最初から作り直すのは面倒な作業です。一応気合を入れて始めました。
「今回も、聞きながら行えば」
WordPressは初心者には難しい、とよく言われます。
けれど、それほど不安はありませんでした。4月にこのブログを立ち上げたとき、AIに聞きながら作ることができたからです。今回も同じようにおこなえば、なんとかなるだろう——そんな気持ちでした。
ちなみに、私が使っているのはClaudeというAIです。以下、文中では「AI」と書きますが、実際にはこのやりとりのことだと思ってお読みください。
目に見えないところが、いちばん難しかった
レンタルサーバーをどこにするか、テーマを何にするか。この2つはAIにも相談しましたが、自分でも事前に調べました。
最終的にはConoHa WINGというサーバーと、SWELLというテーマに決めました。AIに相談したところ「その選択で大丈夫」ということだったので、安心して始められました。
少し戸惑ったのは、ドメインの拡張子選びです。.site、.space、.website、.tech——いくつも選択肢があって、どれがいいのか自分では判断がつきませんでした。ここはAIのアドバイスをもとに決めました。
けれど、本当に難しかったのは、その先でした。
ドメインを取得したあとの設定と、WordPressをインストールしたあとの細かな設定。画面には見慣れない項目が並び、何をどうすればいいのか、まるで分かりません。
ここは、自分一人では絶対にできませんでした。
ホームページ作りというと、デザインや文章を考える作業に、最も目が行きがちです。しかし、一番大きな壁になるのは、こういう目に見えない最初の土台の部分なのかも知れません。
トップページが消えた日
作業が半ばまで進んだ頃のことです。
ある操作をしたあと、画面を開いたら、トップページの中身が消えていました。
「やってしまった!」思わず叫んでしまいました。
同じ操作をこのサイトでも行っていましたが、何の問題も起きていなかったのです。まさかそこでつまずくとは、思ってもみませんでした。
追加機能の設定でした。メンテナンスモードのデザインのインストールが上手くいかず、焦って何度も試しているうちに、トップページに上書きしてしまったのです。
2つのサイトでは使用しているテーマが違っていました。同じWordPressでも、テーマが違えば、相性の良し悪しがあるのだと、初めて知りました。
幸い、他のページは影響ありませんでした。
しかし、トップページは全体の中でいちばん手間のかかった部分です。「また同じ作業をするのか」と、ため息が出ました。
1〜2週間 休むことにした
すぐには取りかかる気になれず、しばらく休むことにしました。
それまでは集中して、良いリズムで進んでいました。だからこそ、ここで無理をしないほうがいいと思ったのです。
1〜2週間、作業から離れました。
今思えば、休憩期間を取って良かったと思います。焦って作り直していたら、ストレスが増えて、また何かやらかしていたかもしれません。
統括チャットという工夫
しばしの休みを終えて、さて作り直そう、と思ったときのことです。
これまでの工程を、チャットのやり取りで確認しながら作業を進めよう——そう考えました。ところが、それがまた面倒な作業になるのです。
そのときすでに、AIとのやりとりは3つ目のチャットに入っていたのです。
作業中は、画面を撮ったスクリーンショットをAIに見せて、「これで合っていますか」と確認しながら進めていました。画像が多いので、ひとつのチャットがすぐ容量いっぱいになってしまう。それで次々と新しいチャットへ移っていたのです。
3つのチャットを自分で見直しながら作業するのは大変です。しかも、まだ工程は半分ほど。この先もチャットは増えていく。
そこで思いついたのが、作業用のチャットとは別に、全体を見渡すための統括チャットを立ち上げることでした。
統括チャットには、それまでの3つのチャットを読み込んでもらい、トップページを速やかに復元できるように手順書を作成するよう依頼しました。
その結果、手順書の作成はもとより、可能な箇所は、そのまま貼り付けてすぐに復元できるように、HTMLコードに再構成してくれました。
その後は、作業用チャットを新しくする際には、きちんとした引継書を作成してもらい、統括チャットにも情報を渡してきました。
ホームページが完成した今は、この統括チャットは2つのサイトの全般管理の窓口として、新しい役割で動いてもらっています。
プラグイン(機能を追加する部品のようなもの)の更新をどうするか、バックアップは足りているか、セキュリティはどうか、といった相談をしています。
作業によって違う、AIとの役割分担
以前、4回シリーズの記事をAIと一緒に書いたときのことを、このブログに書きました。あのときは、最初のひらめきと構成が自分、文章の形にするのがAI、最後に自分が魂を込める——そんな役割分担でした。
今回のホームページ作りは、少し違いました。
サイトの構成も、載せる内容も、基本的にはすべて自分で決めました。自分で作れる部分は自分で作り、それをAIに見せてアドバイスをもらう。この形が中心です。
一方で、AIに任せた部分もあります。
デザイン的に自分では作れない箇所は、コードを書いてもらって、画面に貼り付けました。載せる内容に著作権上の問題がないかどうかも、相談しながら確認してもらいました。
トップページには、テーマ独自の仕組みで設定する部分があり、これは私にはまったく分かりませんでした。ここは一から教えてもらいながら作りました。
プライバシーポリシーは、丸ごと作ってもらいました。
正直なところ、それまで私は、プライバシーポリシーというのはどこも同じような文章なのだと思っていました。
しかし実際は、サイトの状況によって書くべきことが違う。今さらのようにそれを知りました。
このように最初から全面的に作ってもらったものもありますが、最終的には自分がチェックして、その内容に責任を持つ。ここについては、ブログの記事を書くときと何も変わりません。
公開した日
8月の末、ようやく公開までたどり着きました。
嬉しかったです! 4月に立ち上げたこのブログもそうですが、まさにAIとの共同作業でできあがったものです。
AIがなかった時代なら、WordPressでホームページを立ち上げて運用することは、私には不可能でした。
これは、時代の恩恵だと思っています。
これから作ってみたい方へ
「AIにホームページを作ってもらった」という話を、たびたび耳にします。
実際、YouTubeでその実演を見たことがあります。エージェント型AIと呼ばれる種類のもので、こういうホームページが欲しい、と伝えると、AIが自分で手順を考えて作り、サーバーに置くところまでやってくれる。そんな内容でした。
私はおこなったことがないので、簡単にできるのかどうかは分かりません。ただ、私の場合は事情が違いました。移行ですから、こういう色合い、こういうデザイン、という好みが最初からはっきりしていたのです。
全ておまかせできるなら楽だと思います。けれどそうでない場合は、作業は自分で行うことになります。
そして、チャット型のAIは誰でもすぐ使えるようになりますが、エージェント型を使いこなすのは、最初のうちはかなりハードルが高いのではないかと思います。
私がおこなったのは、分からない部分の画面を撮ってAIに見せ、聞きながら進めていく方法です。地味ですが確実でした。私の場合は、この方法で完成までたどり着けました。
時間はかかります。3か月かかりましたし、途中で休みもしました。それでも、少しずつ形になっていきます。
そして、これは思いがけない収穫だったのですが——自分で作業をする分、AIから教わる知識やアドバイスに毎回触れることになります。すると、だんだん自分でできることが増えていくのです。
以前は何のことか分からなかった画面が、少しずつ読めるようになる。次に同じような場面が来たとき、今度は自分で判断できる。
そうやって、自分なりに力がついていくのが分かりました。それが、この3か月でいちばん嬉しかったことかもしれません。

